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7.92015
外食の多いランナー必見!食生活の心得

体調を崩さず、効率よく走力を高めてゆくためには日頃からの食生活も大切です。特に外食の機会が多くなりがちなランナーほど食生活のバランスが乱れやすくなってしまいますので、今日は多忙なランナーでも意識できるバランスの良い食生活の心得を書いてゆこうと思います。
松井秀喜さんも実践していた『まごわやさしい』
栄養バランスの良い食品として医学博士の吉村裕之先生が提唱している“まごわやさしい”の合言葉。この合言葉を意識した食生活の改善はシンプルで分かり易く、外食が多くなりがちな方にとってはもちろん!家での献立を考える際にも大変オススメです。
やり方は一日の食事の中で合言葉に該当する食材が含まれるように心掛けるだけ。
ま(まめ)=豆類
ご(ごま)=種実類
わ(わかめ)=海藻類
や(やさい)=野菜
さ(さかな)=魚介類
し(しいたけ)=きのこ類
い(いも)=いも類
一日の食事を通して大雑把に上記の7種類を摂るよう心掛けるだけでも骨を丈夫にすることにつながり、トレーニング後のより良い疲労回復も見込めます。また生活習慣病予防やコレステロールダウン、老化予防、皮膚や粘膜の抵抗力強化などの効果もあると言われています。
最近はコンビニやファミリーレストランのメニューでも多品目のものが増えていますので、忙しくてなかなか自炊が出来ないという方もまずは栄養バランスを意識してメニューの選び方をいつもと少しだけ変えてみてはいかがでしょうか。
貧血予防には『鉄分』と『タンパク質』を意識した『ごはん食』を
次にランナーが起こりやすい貧血の予防について。長時間のランニングではフォームが悪いほど設置時の地面からの衝撃が繰り返されるため、血液中の赤血球が破壊されてゆきます。また汗によって鉄分が失われるため長距離を走るランナーほど貧血になりやすいと言われています。
貧血を防ぐには赤血球内のヘモグロビンを合成させるための鉄分の摂取が必要ですが、鉄分は摂った分だけすぐに体内に吸収されるというわけではないので日頃から意識して摂りつづける必要があります。
特に吸収率の高いヘム鉄が多く含まれた食材は豚・牛・鶏などの肉類、レバー、カツオ・イワシ・マグロなどの赤身の魚。
そして赤血球の中のヘモグロビンの材料となるタンパク質は鉄分と同じくらい重要な栄養素です。
良質なタンパク質として牛乳や卵、大豆製品も肉類とあわせて日頃から摂るようにしましょう。
また、これらの食材を毎日バランス良く食べることを考えると和食などのごはん食が適しています。小麦を中心としたパン食は手軽ではありますが摂取できる食品目が少なくなりやすく、また小麦そのものもご飯食に比べ必須アミノ酸が2種類少なくなってしまいます。
2011年の東京マラソンの際に完全菜食主義(ヴィーガン)で知られるアメリカのウルトラランナー スコットジュレク氏と一緒に食事をしたことがあるのですが、肉類を全く食べない食生活をおくるジュレク氏も和食は胃腸の負担が少なくバランスの良い食事としてとても注目しているようでした。
和食文化は国際的にも健康食としての評価が高いですが、日本で暮らす僕たち自身が和食文化を大切にしながら、より強い身体を作ってゆくなかで日本人ランナーとしての意識も高めてゆけたら尚更 素晴らしいですよね。
レース後半の補給食は“風邪をひいた時でも食べられるもの”
最後にウルトラマラソンなどのロングレース中の食事について。100km以上の距離ではレース中に筋肉だけでなく内臓の疲労も蓄積してゆきますので、特に消化機能の弱いランナーにとってはレース中盤以降はふだん当たり前に食べられるものが受け付けなくなってしまうことがあります。僕などはまさにその典型で20代の頃に集中して取り組んでいた24時間走では毎回、12時間を越えてからはまともに固形物を食べられた記憶がありません。
そんな中、補給の目安となるのはズバリ『風邪をひいたときでも自分が食べられるもの』。
その感覚には個人差があるかと思いますが、大抵 体調不良で寝込んでいる時に食べれないようなものは過酷なレースで胃腸の負担が蓄積してきた際にもやはり食べることはできないのです。
例えばウィダーインゼリーなら僕は風邪で寝込んでいても辛うじて飲めますがBCAAの量が多い他のメーカーの商品はうけつけなかったりします。過去のレース中にはそれらの人工物が一切受け付けられなくなり、オレンジジュースとお粥と豆乳のみで240kmまで記録を伸ばしたことがありました。
ウルトラマラソンの国際大会では自分が食べるものは自ら用意しておかなければならないため、極限で自分が何を食べれて何を食べれないかを知っておくことは大切です。また、国内のウルトラマラソンでも大体が中継地点に自分の荷物を置いておくことが出来ますので、その時に自分にあった補給食を用意できることは大きなアドバンテージとなります。
極限での「食べれるor食べれない」の判断は直感が働くことも大きいですが、ふだんから食に対する意識を高めておくと窮地の際に感覚も敏感になりやすいですよ(^^)