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今日のフルマラソン大会を最善で終わらすペース戦略術

「いよいよ今日はフルマラソン本番!」
「もう、やれるトレーニングはない!」

と、いう最後の最後で大会当日により良いゴールを迎えるために、やれること。

それは、レース本番のイメージづくりではないかと思います。

イメージトレーニングの有効性は、科学的に証明されていますが、今回の記事では井上色の強い、実践的なフルマラソン後半失速予防のためのペース戦略術をまとめます。

ぜひ、安易に要点だけを鵜呑みにするのではなく、内容をよく理解し、吟味したうえで、納得できるものであれば使ってみていただければと思います。

※過去のセミナーに参加された方は、セミナー内容の復習にお使いください。

フルマラソンでは、8km〜30km区間の順位を極端にあげないように!

当日のペースで失敗を防ぐために、

ぜひ、目を瞑って、イメージの中で出場するフルマラソン大会を走ってみて下さい。

朝早くにスタートするフルマラソン大会。

スタート地点には、数千人、数万人のランナーがならんでいます。

スタートの号砲が鳴りました。

最初の1km、2km、3km、

密集したランナー達のなか、人の流れを無視して自分のペースで走ることはまだ難しく、それよりも転ばないことの方が大切です。

4km、5km、
数千人、数万人のランナー達の間隔が少しずつ拡がってゆき、ようやく自分のリズムで走りやすくなってきます。

自分より走力のありそうなランナーにたくさん抜かれることもあると思います。

そして、6、7、8km。

レースはどのような状況になっているでしょうか?

十中八九、自分の周りにいるランナーは、ほぼあなたと同じような目標で走っているランナーであり、前後左右にいるランナーとあなたの走力にも極端な差はないハズです。

約8kmを通過した時点で、サブ4目標のランナーの近くを優勝候補が走っていることも、ギリギリ完走目標のランナーが走っていることも、まずあり得ません。

逆もまた然りです。

しかし、

ここからの十数キロで、あなたの周りを走るランナーは

①順位をじわじわと上げて行くランナー
②順位をキープするランナー
③順位をじわじわと落としてゆくランナー
に分かれます。

断言しますが、このなかで目標を逃す危険が最も高いのは、8kmから30kmまでのあいだに極端に順位をあげてしまうランナーです。

周りを走るランナーは
“ほぼ自分と同じくらいの走力のランナー”
であるにも関わらず、順位をあげてしまう心理は

『ようやく調子が上がってきたな。なら、今のうちにタイムの貯金を稼いでおこう』

ですが、この発想こそがドツボ。

8kmを超えて自分の周りを走る“ほぼ同じ走力のランナーたち”のなかで、自分だけが順位が上がってゆくとしたら、
無酸素性作業域値を上回るオーバーペースになっている可能性が高く、
溜まってゆくのはタイムの貯金ではなく、体内の活性酸素です。

では、なぜこんなことが起きてしまうのか?

早朝の気温では、まだ温まっていなかった身体が、最初の約10km(1時間前後)で、ウォーミングアップされ、血流が良くなるからだと思います。

その状態で、ペースをあげることはとても簡単なことですし、とても心地の良いランニングはできます。

しかし、どうか心地よいランニングは捨てて、「自制」に徹してみてください。

(明らかに体調を崩して失速しているランナーは、もちろん追い抜いても問題ありません)

自制に徹して30kmを通過したころ、当然 カラダはラクではないかもしれませんが、このノウハウさえ守っていれば順位は自然に上がってゆく状況になっています。

自制しなかった、あなたと同じ走力のランナーが落ちてくるからです。

改めて目をつむり「例え苦しくとも、順位は上がってゆく状況」をイメージしてみてください。

がんばれる気がしませんか?

そして、もうひとつお伝えしたいこと。
「長く走れば必ずペースは落ちてゆく」というのは思い込みです。

これまでランニングコーチとして、私が指導してきたランナーはこのノウハウで、ほとんどの方が極端な後半失速をおこさず、初のウルトラマラソンを楽しみながら見事に目標を達成させています。

※月間走行距離400km未満の一般的な市民ランナーを対象としたノウハウです。レベルの高い走り込みを行なってきたランナーはこの枠に当てはまりませんのでご了承ください。

[給水所での鉄則ルール]
エイドにいて良い時間は5秒厳守!

初フルマラソン出場の方や制限時間めいっぱい使って完走を目指す方には特に理解していただきたいことですが、上記のペース戦略ノウハウは、給水所での鉄則ルールを守る方のみに有効なものです。

そのルールとは、ズバリ給水エイドは5秒以内に出てゆくこと!

ここだけは、厳守!
それには理由があります。

その一つは「潜在的な疲労は、動き続けている限りは表面化されない」という点です。

しかしなにも「休まず、すぐ走れ!」と言っているわけではありません。

もしどうしてもキツイ方は歩いてください。

戦略的に歩きながら、給水所でとったドリンクをゆっくり飲むことや、手にとった食べ物をよく噛んで食べることは、完走を妨げる要因にはなりません。

ここだけは、責任をもって言い切ります。

ただし、絶対にエイドでは“立ち止まらないこと”

そもそも、エイドでしかできないことは補給したい水や食べ物を「取ること」だけです。

食べること、飲むことは、ゆっくり歩きながらいくらでもできます。

食べたあとのゴミを捨てることはエイドでなくてもできます。

そのために、マラソン大会では、エイドの何十メートルも先まで、ゴミ箱が用意されているのです。

だから、絶対にエイドでは5秒以内に、素早く必要なものを取り、歩き出すイメージを作っておいてください。

ポイントは、
まずは各エイドにはどんなものが置いてあるのか?

を事前にしっかり頭のなかで整理し、把握しておくこと。

エイド5秒以内は「厳しい!」と感じる方も多いと思いますが、そこだけは

がんばってください!

エイドで1分休めば、その1分を取り戻すには1キロあたりのペースを15秒上げたとしても4km以上もかかります。

もし3分も立ち止まれば、筋肉は硬化してゆくぶん、より困難になります。

それなら、すばやく立ち去り、1〜3分間歩きながら休んだ方が遥かに効率はよい。

フルマラソンへ初挑戦される方も「中盤で自制できず、後半大失速してしまうこと」「給水所で立ち止まり、タイムロスと筋肉硬化で後半の関門オーバーしてしまうこと」の2つの落とし穴を避けて、最良のゴールへたどり着くことを祈っています。


井上真悟プロフィール 1980年東京生まれ

• GARMINブランド公式アンバサダー兼ランニングコーチ

• 月刊ランナーズ・サロマ湖/四万十川100kmウルトラマラソン大会公式企画コーチ

• 著書「大陸を走って横断する僕の話。(台湾・木馬出版)」 など

[new] 幸福洗脳CASTページに掲載いただきました

26歳時、父の他界をきっかけに挑んだ通称「世界一過酷なウルトラマラソン」サハラ砂漠マラソンにて2年連続日本人1位となる。その後、ランニングコーチとして児童を対象にしたコーチング経験を積む傍ら、日本全国の児童養護施設へ走って訪れる活動を展開(2007~)出逢った全ての子供たちを喜ばせたいと思い、当時「20代では結果が出せない」と言われていた24時間走に絞った競技活動に打ち込む。2010年、伝説のウルトラランナーと呼ばれていたスコット・ジュレクとのレースを制し、20代初の同競技・世界タイトルを獲得。現在は「2020年・金栗四三のアメリカ大陸5000km横断駅伝」の実現をめざし、精力的に活動中。夢実現の手段として、2018年11月に出場した日本代表選考会を準優勝。まずは、2019年10月フランス開催・24時間走世界選手権で9年ぶりの世界王者に返り咲く予定。

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