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秋のウルトラ完走へ向けて。

先週よりスタートした月刊ランナーズ×GARMINコラボ企画 『四万十川ウルトラマラソン チャレンジ』。

選ばれた3名のチャレンジメンバーがGPSウォッチ GARMINの最新製品を活用しながら四万十川ウルトラマラソンでの完走を目指してゆくという企画ですが今年は私 井上が本企画のコーチを務めさせていただいております。

早速、先週日曜日にはランナーズステーション麹町店さんにて合同練習会を実施させていただきました。練習会の中でチャレンジメンバーへお伝えした内容は四万十川など秋のウルトラマラソンで完走を狙う多くの方々にもトレーニングの考え方のひとつとして参考にしていただけると思いますので、下記にまとめておきたいと思います。

まずは「完走できないとしたら」の危険性つぶしを考えよう。

ちょっと嫌な考え方かもしれませんが、目標とするレースまでにまだ対策を打てるだけの猶予がある期間こそ「もしも自分が目標を達成できないとしたら?」という悪い方の現実を見据え、目標が達成できない場合の要因を整理しておくことを僕はレースの規模に関係なくすべてのランナーへオススメしています。  上の写真は練習会後の講義であげた「今回、チャレンジメンバーのみなさんがもしも四万十川100kmを完走できないとしたら?」を整理した図です。

大きく分けると、オーバートレーニングによるレース前の故障(練習のやり過ぎ)、走力不足(練習のやらなすぎ)、オーバーペースによる酸素負債や各関節へのダメージ(レースでの飛ばしすぎ)などの①トレーニングの質と量に関すること

そして、熱中症や日射病、脱水、低体温症、内臓不調などの②レース本番のトラブルに関すること

最後に、風邪や睡眠不足、栄養不足など③調整期の体調管理に関すること

講義では各々のケースの対応策をざっくりとお話ししましたが、②と③については詳しくは9月に実施する2回目の練習会にて。

レースまで70日間ある現段階で今お伝えしておくべきことは①のトレーニングに関することです。

チャレンジメンバーのみなさんには無理のない負荷でウルトラマラソンのための対応力を高めるために8月中の週間走行距離は50〜70km。涼しくなった9月には週間走行距離83kmの週を一回。最終的な追い込みとして週間走行距離をレース本番と同じ100kmまで伸ばす週を一回いれるトレーニングプランをお伝えしているのですが!

もちろん、人間そう簡単に距離を伸ばせるものでもありません。

以下は故障リスクを抑えながら秋に距離を伸ばしてゆくために先日の講義でお話ししたトレーニングの種まきについてです。

膝・腰の負担を減らして走力アップ!猫背改善からのブレない走りづくり。

今回、本企画で使用するGARMINの最新製品920XTJにはランニングダイナミクスという自分の走りの効率性を数値化して客観的に知ることのできる機能がついているのですが、この機能。コーチの僕からすればめちゃくちゃ重宝します!

今回の企画では僕はチャレンジメンバーのみなさんとは基本的にはたった2回の合同練習会でしかお会いできず70日後のレース本番を迎えることになるのですが、メンバーの方々から練習データを見させてもらえればどのようなランニング効率で練習をしているかをある程度は数値で知ることができるのです。

さて、ではランニングダイナミクスとはなんぞや? GARMIN920XTJではランナーのピッチ数、上下動、地面設置時間を瞬間/平均/ラップ平均でそれぞれ表示することが可能です。

なんのこっちゃい!と、思われた方、ごもっとも。また数値が示す意味は理解していたとても、結局それはどうやったら良くできるのか?を知れなければ宝の持ち腐れではないかと僕はこの企画のお話しをいただいた時に思いました。

、いうことでメンバーのみなさんとコーチの僕とでGARMIN920XTJを活用しながら四万十川100kmで目標達成するために先日の練習会で行なったメニューのひとつめは…

レース後半もブレない走りづくりのための猫背改善ストレッチ&筋力トレーニングです(^^)

家事やデスクワークを通して肩や胸まわりの筋肉をよく使い、背中側の筋肉を使う機会の少ない現代社会において『日本人の9割は猫背』と言われていますが、猫背が改善した姿勢になるだけでもレース後半の腰や膝への負担は減り、ブレの少ないフォーム(ランニングダイナミクスの数値が良くなった状態)に近づくことができます。

 必要なことは下記の具体的なストレッチ&筋力トレーニングを毎日の習慣にしてゆくこと! Let’s try !

A:腕を後ろにまわして手の甲を腰にあてた状態→反対の手で肘を掴みゆっくりと前へ引き寄せてゆく肩関節外旋筋群のストレッチ(が、効いているようなら60秒)

:掌を写真の向きで壁につき、ゆっくりと身体を壁の反対方向へまわしてゆく上腕二頭筋のストレッチ(60秒)
  ※殆どの方はBの筋肉が硬いためAのストレッチが効かないケースが多いのでAをやってみて効いていなければBを60秒→もう一度Aという順番で試すとストレッチによる変化を感じられることと思います。

C:壁に肩と同じ高さで肘をついたまま壁側の脚を大きく前へ踏みだす→そのままゆっくりと骨盤を前へ押し出してゆく大胸筋のストレッチ(60秒)  ※A,B共に硬い方はCが効かないこともあります。その場合はAとBのセット数を増やしましょう。大胸筋は猫背改善に必要なメインターゲットです。

D:腕を背中のまわし反対側の肘をつかんでおく→正面を向いたままゆっくりと首を反対側へ倒してゆく僧帽筋のストレッチ(60秒)  ※Cの大胸筋ストレッチとEの背面のトレーニングが習慣になるだけでも猫背は改善されてゆきますがDの僧帽筋が硬いとランニング時に肩が力みやすくなってしまいます。

E:うつ伏せの状態から左右の肩甲骨を中央へ引き寄せ、その状態をキープする背面の筋力トレーニング(60秒〜120秒) 

※日ごろ使い慣れていない肩甲骨まわりを筋力トレーニングで引き締める際の注意点は首や手首に力みが出てしまわないことです(コレがけっこう難しいのですが)

上記の5点を習慣にしてゆくと猫背改善に伴い、ランニングで力ませたくない筋肉がリラックスしたまま本来使うべき肩甲骨まわりの筋肉が動員しやすいランニングフォームへと変化するきっかけを掴めるようになります(^^)

レース後半で脚を止めないために。跳ねない走りはコアトレで!

続いて、よりランニングダイナミクス(走りの効率性)を向上させるための核となる筋力トレーニングについて。

猫背が改善されると腰や膝の歪み(骨盤後傾からくる膝の曲がり癖など)が起こりづらくなり真っ直ぐ姿勢が維持しやすくなるため、地面から跳ね返るチカラが得やすくなりまずは地面設置時間が短縮される効果が見込めるのですが!、、、骨盤まわりの筋力が弱いと結局は疲労に耐えきれずレース後半は姿勢が崩れてしまいます。

また、短距離走〜ハーフマラソンぐらいまでの距離で好タイムを出すランナーの中にはふくらはぎが優位に働きやすく「ゆっくり走るのが苦手」だと言う方もいます。フルマラソン以上の距離でオーバーペースに陥らず、一定のペースを長時間維持するために必要なものとは。

ズバリ!筋持久力に富んだ腿まわりの筋肉の強化です。

、いうことで…先日の講義で行なったメニューのふたつめは暑い夏でも涼しい室内でがんばれる!筋力トレーニング(^^)

F :両ひざを立てた仰向けの状態でお腹を凹ませる→そのまま上体を写真のように捻ってゆきキープする腹横筋、腹斜筋のトレーニング(30秒〜60秒)  

※体幹部の中でも特にお腹を引き締める効果の高いFの筋肉群。地道なトレーニングの繰り返しが腰痛の根本的な予防へと繋がります。但し、このトレーニング自体が腰に辛いという方はやらないように。

G:肩幅に脚をひらきつま先を真っ直ぐ前に向けたまま腰を落としてゆく大腿四頭筋のトレーニング(60秒)
  

※脚を引き上げる前腿の筋力強化はふくらはぎに頼った“蹴る走り”を改善させ、膝下の靭帯の炎症予防にも有効です。

H:脚を大きく開いた状態で腰を膝の高さまで落とし、キープする内転筋群のトレーニング(60秒)  
※脚を引き上げる際には内股の筋肉群も使われていますがココが弱いと自然に脚の繰り出し方はガニ股気味に…内転筋群の強化は膝の側面の故障予防にも有効です。

I:横から見たときに肩、腰骨、膝の位置が一直線上に並ぶ写真の状態をキープする臀筋と裏腿のトレーニング(60秒)

  

※日本人が意識して使いずらいと言われている臀部、裏腿。しっかり鍛えておけば脚を引き下げる動作の改善により坂道の克服にも有効。

J:イスに座り両手でイスの下を掴む→膝を自身の胸につけるイメージで下半身を上体へ引き寄せてゆく腸腰筋のトレーニング(計30回) 
※前半に紹介した猫背改善トレーニングと股関節まわりの筋力トレーニングとを繋ぐ、インナーマッスル。背骨から骨盤を介して大腿骨までつながるこの筋肉が使いこなせるようになるとランニングの上下動、地面設置時間はより短縮されやすくなります。

まとめ。

自分の限界を越える非日常的な距離への挑戦に不安は尽きものですが、闇雲なトレーニングの積み重ねで故障を繰り返すウルトラランナーもまた決して少なくはありません。

もしも上記で紹介させていただいたメニューがこれまでに試したことのないものであるのなら、それは初めてのに方はもちろんですが、ランニング歴の長い方こそ伸びしろの多いトレーニングとなることと思っています。

実は上記のメニューは全てコアランニングスクールの平日セミナーを通してどの層のランナーへも日頃から私が基礎としてお伝えしているものですが、ぜひ今後ウルトラマラソンでの挑戦を行なう方々にとっても

・まずは猫背を改善し良い姿勢をつくる

・その上で長距離ランに必要な持久筋を強化し、故障の起こりにくい身体を維持しながら長距離を踏む

というプロセスは長く走り続ける上で大変有効な考え方だと私は確信しています。

少しでも多くの方に参考にしていただければ幸いです。

それではまだまだ暑い日も続きますが、マイペースにがんばってゆきましょう!

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