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もしもトレイルランニング中に地震があったら。

天気の良い日が続き、アウトドアが心地よい季節がやってきました。積雪の心配のない夏場はトレーニングのマンネリ化を防ぎ、全身の筋肉と心肺に負荷をかけられる山でのランニングがオススメです。

しかし、一方で気をつけなければならないのが山でのアクシデント。万全の準備をしていたとしても地震などの自然現象は防げませんので、有事の際に最善の対応をとれるよう山へ向かう前にトラブルを想定した心構えを知っておきましょう。

地震に対する心構え①
回避行動は普通の山登りといっしょ

平成16年に発生した新潟中越地震や平成20年の岩手・宮城内陸地震の際には山全体が大きく崩れることがありました。
山で地震があった場合、まず気をつけなければならないことは①揺れによる滑落、次に②地震の影響による落石、最後に③土砂崩れです。
トレイルランナーも一般登山者と共通の心構えとして山で地震にあったら、揺れがおさまるまで近くの木にしがみつくか低い姿勢をとることで登山道から滑落しないようにしましょう。
その際には両腕を頭で抱えこみ、落石に備えて頭部を最優先で守る意識も大切です。揺れがおさまった後にも落石はあり得ますので、頭上と余震に注意しながら速やかに下山ルートへ向かいます。
また、沢にいる場合は揺れがおさまり次第、落石と土砂崩れに備えて早めに尾根へ上がるのが安全です。沢にいる時に大地震が起こると本能的に下流側へ向かう下山行動をとりがちですが、もしもそのあとに上流側から土砂崩れが起こった際には逃げ切れない可能性が高いため、足場を確認しながら速やかに尾根へ上がることを考えましょう。

地震に対する心構え②
下り疾走中は揺れが気付きづらい為、要注意

登りに関しては一般登山者と大きくペースが変わることはありませんが、下り坂での速度に大きな差が出るのがトレイルランニングです。疾走感のある下りトレイルを醍醐味に感じるランナーも多いことと思いますが、速度のついた下りこそ有事の際に大きな危険が潜んでいます。
特に疲労が蓄積してきた全行程の後半には、意識が散漫になりやすいため要注意!
日頃からトレーニングで山を走る際は単独行動を控え、2人以上のグループでの入山を心がけましょう。
地震での揺れ以外にも、スズメバチやマムシ、突き出た木の枝や滑りやすい土質の路面状況などメンバーの中の1人が気付いていれば声がけをすることで全員に注意が行き渡ります。

速度の出るトレイルランニングほど1人1人の視野は狭まりやすくなりますので、複数人で出発前に「危険に気づいた人が声がけをする」というルールを共有し、走力に関係なく助け合いの精神を持つことが山での基本です。

地震に対する心構え③
入山するなら日頃からファーストエイドキットの携帯を

最後に、山でトラブルな起きた際に有効なファーストエイドキット(応急手当・保護用品)の紹介をします。トレイルランニングをきっかけにこれらの装備を予め揃えておくことは日常生活での有事の際にも自分や周りの人たちを守ることにつながりますので、ファーストエイドキットは早めに準備し、日頃から携帯しやすいようひとまとめにしておきましょう。

<トレイルランナーが最低限持っておきたいもの>

・小型ライト(予定通りに下山できず日が落ちた時に)
・ライトの予備電池
・ホイッスル(長時間助けを呼び続ける時に有効)
・エマージェンシーシート(低体温症の予防など)
・テーピングテープ(関節の固定、衣服の破れ補修、止血など)
・バンダナ、手ぬぐい(関節の固定、止血の際のガーゼ代わり など)
・ライターor防水マッチ(遭難時に暖をとるなど)

※上記5点でおよそ150g程度

<グループのリーダーが持っておきたいもの>

・ガーゼ、絆創膏、三角巾
・水で膨らむ簡易タオル
・サバイバルナイフ(小型でも良いのでハサミのついたもの)
・入山する地域の山岳用地図原本
・ヘッドライト、ハンドライト
・サムスプリント(骨折時の添え木代わり)
など

<個別に準備しておきたいもの>

・胃腸薬、痛み止め、下痢止め、正露丸などの内服薬(自分の身体にあったものを)
・芍薬甘草湯(※漢方薬 足のつり、こむら返り回復に即効性あり)
・除菌ウェットティッシュ
・消毒液
・軟膏
・飲料水用合成殺菌料製剤(川の水を安全に飲む際)
など

まとめ

トレイルランニングはマラソンの延長ではなくアウトドアのスポーツです。そのため街中では当たり前に感じていることが山では思わぬ危険につながることも。だからこそ入山前に危険意識を持ち、山へゆく前の準備と心構えを整えることはマラソンランナーがトレイルでより良い経験を積むために重要なことです。また、有事の際に自分や周りの人の安全な下山をサポートするためのファーストエイドキットを準備するランナーが増えてゆくことで「山で走っている人たちがいてくれて助かった」と言われる社会へ繋がってゆけると良いですね。意識の高い心構えを持ち、地震などの自然災害が起きても慌てず対応できる心を育んでゆきましょう。


1.山で想定しておきたい地震の被害は滑落、落石、土砂崩れの3点。揺れがおさまるまでは頭部を保護する待機姿勢、その後は落石と土砂崩れに注意しながら速やかに下山する

2.トレイルランナーこそ注意力散漫になりやすいため、2人以上のグループでの入山を心がけ、危険に対する声がけを徹底する

3.山へ行く前に最低限のファーストエイドキット(応急手当・保護用品)は必ず準備し、日頃から持ち運びやすいようひとまとめにしておく

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