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マラソンで失敗を防ぐ3つの視点。

マラソンで結果を出すためにはこれまでよりキツく苦しいトレーニングに打ち込まなければならないと思っていませんか?

もちろんマラソンは日頃の地道なランニングが大きな結果へと繋がる、積み重ねのスポーツです。しかし同時に長年の走りのクセや姿勢の歪み、疲労の蓄積によるトラブルが大失速につながる恐れもあり、実はシビアな自己管理能力の問われるスポーツでもあります。

練習の量や質の向上も大切ですが、まずは自分の身体やレースに潜む危険を早い段階で察知して上手にトラブルを回避するリスクマネジメント能力を向上させ、タイムの効率的な短縮をめざしてゆきましょう。


視点①レース当日、目標を達成できないとしたら?

マラソンは地道なランニング習慣の反復によって、ある程度の段階までは自己記録を向上させることができます。そのため量を意識した練習は決して間違ってはいません。しかし、レースで満足のゆく結果を出すには果たしてどこまでの量をこなせば安心でしょうか?練習の可能性は無限にありますので
『どうしたら目標を達成できるのか?』
の視点でマラソントレーニングを考える限り、努力に際限がなくなってしまいます。量をこなす練習の一番のデメリットは一回一回のトレーニングの目的意識が薄くなってしまうことにあります。

そこでオススメしたいのは
『レース当日、目標を達成できないとしたら?』という引き算の視点。
例えばフルマラソンの完走を目標とした場合、レース当日に目標を達成できない要因として
本番に至るまでのトレーニング不足(走力不足)
レース途中で身体に痛みが出てしまい歩くことさえ難しくなってしまう(故障)
当日のペースや補給でミスがあり消化不良や胃痛などのトラブルを起こしてしまう(体調不良)
などによる自主的なリタイヤまたは関門時間のオーバーが考えられます。

もちろんウルトラマラソンやトレイルランニング、過酷な環境下で走るアドベンチャー系のレースでは現地の気候の移り変わりや起伏、路面状況にあわせて上記の他にも様々なリスクを想定してゆかなければなりませんが、基本は目標達成を阻むマイナス要因をどれだけ洗い出せているかにつきます。危険を認識しない挑戦が最も危険なのです。

リスクマネジメントの視点からマラソンレースを攻略するならば、レース本番に目標達成を阻む要因として想定されるリスク一つ一つに対策を立ててゆけば良いため日々の練習での目的意識が明確になるというメリットが生まれます。


視点②自分は何を知らないのか?

さて、それでは自分がレースで目標を達成できない要因をどのようにして洗い出してゆけば良いでしょうか?
まずは過去の走りを振り返りながら、今の自分と目標とのギャップを整理してみましょう。

例えばフルマラソン4時間のランナーがサブ3.5を目標とする場合、レースでは1kmあたり42秒の短縮が必要となります。
もしもフルマラソンを4時間で走った過去のレースが前半のオーバーペースと補給ミスが原因で後半に大失速をしていたという場合には、トレーニング量を徒らに増やさなくてもレース中の補給の知識を深め、一定のペースを維持する練習に取り組むだけでも目標タイムに近づける可能性が高まります。
つまり過去の経験を参考にできる場合の対策は極めてシンプルです。

しかしリスク回避へ向けた問題の本質は『何が問題なのかが分からない(知らない)』ことにあります。
もしも初めて250km級のワンデーレースへ出場することになった場合、レース中に想定される全てのリスクを自分だけで正確に洗い出せるかと言えば答えはNo。

必要なものは知恵と経験です。それらがまだ足りない場合、自分が掲げている目標に対して既に達成したことのある先人やマラソン指導の専門家にアドバイスをもらいにゆくことはリスク洗い出しの最善の手段です。もちろん書籍やネットから得られる情報でもまずはOK!
情報収集能力は危機管理能力に直結する一つのスキルです。

視点③得た情報を練習で検証する

では仮に100kmを10時間で走れるランナーが毎年9月にギリシャで行なわれる246kmの世界的なウルトラマラソンへ初挑戦するとしましょう。
運よく同じレースを過去に完走したことのあるランナーと知り合うことができ、
ハンガーノックを防ぐ為には2時間に一回、エネルギージェルを飲むと良い
レース後半のサンガス山では瓦礫で足裏にダメージが来てしまうから厚底シューズで走るのが良い
長い距離に慣れる為に週に一回は必ず80km以上の距離を走り、月間では500km以上は走ること
などのアドバイスをもらえたとします。

経験者の体験談は何物にも代え難い情報ですので、まずは試してみることが大切ですが、同時に『自分に対して本当に当てはまるかな?』と検証の視点を持つことは極めて重要です。アドバイスをしてくれた人にとってはパワージェルは良い補給食だったとしても自分には消化しづらく内蔵疲労の蓄積したレース後半に嘔吐してしまうこともあるかもしれません。アウトソールが厚底のシューズを履くことで一歩一歩のバランスが普段より取りづらくなり足首に余分なストレスを与え、思わぬ痛みを抱えてしまうことも可能性としてはありえます。もちろん足底筋が弱いためクッション性の優れた厚底シューズの方がダメージが少なくすむケースもあります。

つまり極論、一人一人違うのです。また、目標へ向かうトレーニングのプロセスも一通りではありません。だからこそ自分で得た情報は必ず検証すること。その手段がトレーニングです。
先の例で言えば、80kmのロング走の途中でパワージェルを試してみれば本番でも食べられるかのイメージが掴めますし、他の製品との比較もできます。もしかしたら靴ではなく中敷を変えることでムリなく瓦礫の上を走れるかもしれませんね。
それらの検証を兼ねた練習こそが経験になります。

リスクマネジメントの視点で日々のトレーニングに臨めばマラソンに必要な知恵と経験を日頃の練習から積み重ねてゆくことができます。
自分の身体という個性と向きあいながら一回一回のランニングを通して理解を深めてゆくことはマラソンの奥深さ、楽しさだと思うのです。

まとめ

距離や記録に関係なく、自己実現に向けて走り始めた全てのランナーの姿は”失敗”と表現されるものではありません。マラソンにおいて『失敗』という言葉は他者から投げかけられることはなく、だからこそ難しいのがマラソンです。レースを終えたときにその結果が失敗と判定できるのは自分のみ。己に打ち克ち最高の結果を得るために危機管理の視点でマラソンを克服してゆきましょう。

1.トレーニングに目的意識を持たせるために、「目標達成できない場合の要因」を洗い出す

2.経験者、専門家のアドバイスや書籍、インターネットからの情報を基に「目標達成できない場合の要因」リストの見直しを行なう

3.目標を達成するために克服すべき課題一つ一つに絞った準備、練習に取り組む

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